お初の作者。タイトルからも明らかな通りの監禁・陵辱もので、自分の中では「魔少年」のジャンルに属する一冊でした。ただ、書き足りないのか舌足らずなのか、それによって色々とおかしい(爆)、というか奇妙なところが散見され、それがまた面白い味となっているところなど好事家にはタマらない珍品といえるカモしれません。
物語は、旦那が出張で留守にしている間、教え子に勉強を教えてやろうと自分の家に招いたところ、件の魔少年に監禁されて奴隷にされ、――という話。監禁ものといっても、中盤は普通に二人で学校にも行っているし、学校でも調教プレイをしていたりするので厳密には”監禁”ではないのですが、タイトル通りに「居座る」ことによって人妻である女教師をあっさりと凋落させてしまう魔少年の性技に疑問をさしはさる暇もなく、話はあれよあれよとスピーディーに展開していきます。
「一日目」から「六日目」まで様々な調教が披露されているものの、その流れは官能小説における陵辱もののスタンダードともいえる流れを見せており新味はありません。しかしこの物語が奇妙な展開を見せていくのは五日目「後輩女教師(25)の訪問」から。
この後輩女教師というのがかなりのタマ、というか変わり者で、すっかり調教され奴隷へと堕とされた先輩のヒロインの恥ずかしい姿を前にして一時は動揺してみせるものの、あっさりと魔少年の土俵に上がって、「どちらが先にイクか」の勝負を挑むことに。そして彼女は魔少年の前であっさりと、大した抵抗もなく下着を脱いで裸になってしまうというのはいかがなものか(爆)。そもそもM女としての素質があったのか、それともこの催眠効果こそか魔少年の素養なのか、そのあたりの背景が本作ではアンマリ明らかにされていないため、この後輩女教師の行動がいかにも唐突滑稽で、本作に奇妙な味を添えています。
最後は旦那の登場によって激しい修羅場が展開されるのかと思いきや、意外な事実が明かされて魔少年の大勝利に終わってしまうというラストには口アングリ。なんだか煮え切らない読後感ながら、やはり魔少年ものではヒロインよりも、魔少年の個性が重要だな、と本作を読んで実感した次第です。
また本作でもポルチオ性感開発がさらりと登場するのですが、個人的にはここまで性技に知悉した魔少年の過去が気になるところで、彼の出自や来歴がもう少し明らかにされていけばちょっと面白い話になりそうだな、という気もしたり。続編があるならばこの魔少年の過去に迫った一作を期待したいところです。