『未亡人と魔少年 肛辱地獄』の爆発する奇怪な喘ぎ声と横溢する昭和節に魅了され、マドンナメイトからリリースされている貴藤尚のもう一冊も手に取ってみました。ざっと調べてみた限り、作者の作品はこのほかにもアップルノベルズから刊行されているものがあるのですが、いずれも熟女と少年の絡みをモチーフにした作品の様子。わざわざ中古で手に入れる価値があるのかどうかというと……チと微妙かと(爆)。それはさておき、本作もまた『未亡人と魔少年 肛辱地獄』に勝るとも劣らないダメミスならぬダメエロで堪能しました。
物語は、アル中旦那の子供なんか産みたくないのヨン、もっと頭の良い人の子を産みたいワンなんて熟女が、とある紹介でエリート校に通うボクチンと一年間エッチし放題という契約を結ぶことに。この少年はエロっぽいことばかりを考えてしまい勉強に集中できないというのだから、これは完全にウィンウィン(win-winであって、バイヴのモーター音にあらず)、――というわけで、まずはあっさりとボーイの筆おろしを済ませてしまうと、あとはセクシーな下着で誘惑をしたり肛姦を愉しんだり、さらには少年が友達からメッチャ気持ちいいらしゼと耳にした口淫までしてあげたりと、熟女のフルコースをご提供。
後半はエリート仲間の秘密パーティーが開催され、熟女にお仕置きの鞭も交えてのらんちき騒ぎが描かれたりするのですが、タイトルの「魔悦」や「肛姦契約」という言葉から連想されるおどろおどろしさは皆無で、ひたすら童貞ボーイとの交合も和やかな雰囲気で進んでいきます。そこへ昭和の劇画チックな喘ぎ声を交えて活写される官能シーンは、やはりこの作者ならではの強烈な個性を放っており、ここでもまたその一例を列挙してみると、
「ウクッ……ヒイッ」「アヒッ……ヒイィーッ……アムッ」「ウヒッ、ヒイッ」「ウヒッ……そこじゃなくってよ」「ホットドッグ……ね」「ウグッ」「アンッ、ヒイィーッ……」「ウヒッ、ダメッ」「アウーッ……イヤッ、深い、深いのよっ」「ヒイ、ヒィィッ、アヒーッ……」「ダメヨォーッ」「ダメヨッ、まだっ……アーン」「ダメッ、ダメヨッ、そこに触ったら……ヒッ」「ウヒィッ……ヤメテッ」「アンッ……アーンッ、ヤメテ、ヤメテ」「ウギャッ……ヒィーッ、よすぎるわ」「アンッ、ヒイッ、イヤヨッ……いって」「こんにちは……ムグッ」「ア、ダ、ダメッ」「ダメヨッ」「ヒイッ、ウヒィッ……ダメッ」「そ、それは……あなたが……指イヤーン」「だから……ウヒッ」「ウヒッ……ヒィィッ……アアッ、感じる」「アムムッ……ウーッ」「ウムムッ……ムムッ」「ウッ、ウウーッ……ダメヨ、おとなしくして、ウヒッ」「ウウッ、ヒイッ……純ちゃん、純ちゃん」「アウッ……胸は……弱いのよォ」「ヒイッ、、ヒイッ……アムムッ」「嫌な子ね……イヤン」「アヒッ……ヒイッ……アーン」「アウッ……ヒッ、ヒイッ……よすぎる……ヒイッ」「ウグッ、グエッ、熱い……熱いのよっ」「ヒエー……もう、ダメッ」「ウウッ、、いったのね、いってくれたのね……ウヒィッ」「ウウッ、アムムッ……ヒイッ」「ウヒィッ、アハンッ……何だかへん……ずっと嬲って欲しくなっちゃう、、アーン」「ウヒィッ、アンッ……ダメヨッ」「ダメヨ、ダメヨッ、指は……イヤンッ」「ムムッ、ヒャァッ「アーンッ……そんなっ、イヤヨッ」「イヤーン」「ウググッ……クゥーッ」「ウヒィッ……いいっ、もっと奥まで……」「キイッ、ヤメテッ」「ズンッ」「アーン……泣いちゃうから、もう……アンッ、アンンッ」「ヒイッ、もう、しないで……イヤッ、アアーン、イヤヨォー」「ウグッ、グッ」「アウッ……ハアッ……グッ、そんなに……長いーっ」「ウヒィッ……強いっ、強くて素敵っ……アウーンッ」「ウヒィッ……突いて、そのまま一気に……ヒイッ」「ウヒィッ……一緒に来てっ、純ちゃん」「ウムムッ……ウヒィッ……中は、まだっ」「ウグゥー……ヒイーッ……よすぎるっ、こんなの始めてっ」「ヒーッ、ヒイッ、ウウーッ……堪忍してっ、殺されるっ」「ウギャーッ……ヒィィーッ、ヤメテェッ」「ウヒッ……アグッ、そんなところまでされたら……ウクゥーッ」「ワオッ」「さあ、今度はぼくにして」「ハイーッ」「ウクゥーッ、これよっ……いいわぁ」「ウギャーッ、キイーッ、イクッ。純ちゃん、二人とも……一緒にっ、お願いっ」
もちろん好みや個人の嗜好もあるでしょうが、果たして「ウヒィッ」「ウヒーッ」「ヒエー」「ウギャーッ」といったカタカナ乱舞の喘ぎ声に官能小説マニアの方々はコーフンできるものなのかどうか。さらには上の引用からも明らかな通り、やたらと「イヤヨッ」「ダメヨッ」が多いこともクールダウンに拍車をかけており、「ダメヨ」とカタカナで書かれていれば、自分ならずとも平成の世を生きる誰もが必然的に一発屋女芸人の白塗り姿を思い出してしまうのも致し方なく、――というふうにヒロインが魔悦に浸れば浸るほど、その盛んな喘ぎ声に読んでいるこちらは萎えてしまうという妙味を感じさせる本作、その展開はオーソドックスな官能小説ながらその脱力の強い個性ゆえに官能小説本来の愉しみを提供できないことが危惧されるゆえ、キワモノであることを承知しつつ手に取っていただればと思います。あくまで取り扱い注意ということで。