Kindle Unlimitedの読み放題ストアからセレクトした一冊。タイトル通りに「彼女の母、彼女の姉、担任の先生まで」、計四人の女性を魔少年が奴隷に堕として調教するという物語。
一応メインのヒロインが「彼女の母」であることは第一章「キョウハク 彼女の熟母は38歳」からも明らかで、この「熟母」を主人公である魔少年どう堕としていくのか、というのが本作中盤までの見所でしょうか。
主人公のボーイは、アメリカ生活も体験したことがあり、童貞喪失のお相手は「見た目がセクシーなだけでなく、中身の淫乱さもそうとうな」金髪女子。そんなグラマラスな金髪女に、
「セックスなんてたいしたことないわ、レッツトライ」
の一言で童貞を奪われてしまったというから、うらやま、……もとい、思えばこのアメリカ体験が佳きトラウマとなって彼の魔少年としての生き方を決定づけたのかもしれません。ボーイはまず担任の先生にレズ疑惑のあることを聞きつけると、それをネタに脅迫し、恋人のサポートもあってアッサリと担任先生を奴隷に堕としてしまいます。この少年の恐ろしいのは、いったん奴隷に堕とした女性たちを巧みに操り、次なる標的へと狙いを定めていくところで、今度は恋人の姉をこれまた秒速で攻略すると、いよいよ本丸となる熟母へと魔の手を伸ばしていきます。
担任先生から彼女の姉と、狙いを定めた標的を堕とすやりかたはおおむね飴と鞭とを使い分けたやり口なのですが、自分がイクか君がイクのが先か、とけしかけて、女の方を堕としてしまうのは官能小説の真骨頂、姉と母親もまたこのボーイの言葉巧みな誘いにのってしまいあえなく奴隷堕ちしてしまいます。官能描写としてはやはり本丸の熟母の描写が一番冴えていて、特にポルチオ性感を魔少年の手によって開発されてしまった彼女がすっかりボーイの虜となって、自らボーイとの交わりを求めるようになってしまう展開が素晴らしい。一応、それでも母親としての理性は残されていて、姉に妹と娘二人にくわえて自分までもが堕落しては家庭崩壊を招いてしまう、それじゃ駄目ダメ、と心の惑乱もキッチリと描かれているのですが、このあたりの描写はやや浅め。結果よりも堕ちるまでのプロセスをじっくりネットリと描いてくれた方がいいんダイ、という嗜好の方にはこのあたりの構成がやや甘く感じられるのではという気はするものの、大団円とばかりに女たちがひたすら「あああん」「はああん」を連呼して魔少年にヨガり狂う描写はスリリング。「官能小説は”過程”より”結果”だよ、君ィ」という性急なマニアの方にはかなり満足できる仕上がりとなっています。
個人的な嗜好でいえばちょっとアレですが、魔少年の「らしくない」スマートな悪漢像はかなり新鮮で、この少年を主人公に次作とか書いてくれたら面白そう、と感じた次第です。